LightToolsとは、照明設計解析ソフトウェアです。照明機器の開発・設計・解析など、あらゆる場面で使われており、試作や実験回数の削減、製品品質の向上、開発期間の短縮など、トータルな開発コストの削減という効果が期待できます。
3次元CADにより設計した、バックライトやストップランプなどのモデルデータへ光学特性を定義し、LEDなどの光源から、センサや人間の眼などの受光部へ光がどのように到達するかシミュレーションすることが可能です。
光学特性には材質、反射、透過、吸収、散乱などが設定でき、光線追跡にはモンテカルロ法を使用します。 また、任意受光部にて、輝度、照度、色度の評価をさまざまなインターフェースで出力できます。 さらにオプション機能を利用すれば、ルーチン的な評価の自動化や、最適化機能を応用した公差解析へアプローチが可能です。
LightTools 特長
- 3D CAD機能を有し、作成した部品に材質(屈折率、吸収特性など)、表面特性(反射率、透過率、散乱分布など)を設定し、光線追跡を正確に行う事が出来ます。
- 光源及び評価面を配置して照明解析を行い、照度・輝度・配光・色度の分布を数値データ・各種チャートとして出力可能です。
- 最適化機能を搭載。設計変数などを設定することで、制約条件を考慮しつつ目標値に最も近い解を自動出力。
- フォトリアルレンダリングにより、光学システムを実際に作った際にどのように見えるかの確認が可能です。
- SolidWorksとの相互リンクにより、作業時間の大幅短縮が可能です。
LightToolsとは?
LightToolsは業界標準として利用されている本格的な照明設計解析ソフトウェアです。
照明設計解析ソフトウェアとは、どのような用途で利用され、どのようなメリットがあるのでしょうか。
照明設計解析ソフトウェア LightToolsについて概要を紹介しています。
LightTools 照明解析の重要性
照明設計解析ソフトウェアとはCAE(シーエーイー)すなわちコンピュータ設計支援ソフトウェアのひとつで、 照明光学に特化した設計やシミュレーションなどを行うソフトウェアです。
LightToolsはユーザーにどのような利点と利益を与えているのでしょうか
近年、市場ではディスプレイやプロジェクターをはじめとした照明機器の需要が高まっており、メーカーは製品の高性能化、早期市場投入が求められています。
このような背景のもと、照明設計解析のノウハウが一段と注目を集めています。
照明設計解析ソフトウェアとはCAE(シーエーイー)すなわちコンピュータ設計支援ソフトウェアのひとつで、照明光学に特化した設計やシミュレーションなどを行うソフトウェアです。
3次元CADと同じようにモデルを再現し、そのモデルが発光する様子をコンピュータ上で模擬実験することができます。
実際の試作実験回数を大幅に削減することができ、開発期間の短縮、開発コストの低減など、ものづくりにおいて課題となっている様々な問題を解決することができます。
このことからCAEを導入しているメーカーは、同業他社よりも早く新製品を市場に投入できるのです。
ユーザーの利点と利益
LightTools 照明解析ソフト選びのポイント
企業の業績を左右するという観点から、どのような照明設計ソフトウェアを選択するべきでしょうか?照明システムの性能あるいはコストが重要であるなら、LightToolsを選択するべきです。LightTools を使用すると、開発生産性を向上させ、市場投入までの時間を短縮し、市場競争力を高めることができます。
LightToolsの役割
照明設計解析ソフトウェア LightToolsは、照明機器の開発・設計・解析など、あらゆる場面で使われています。
LightToolsを使うことによって、試作や実験回数の削減、製品品質の向上、開発期間の短縮など、トータルな開発コストの削減という効果が期待できます。
また、コスト削減だけでなく、開発サイクルを短縮することによって、他社に先駆けた早期市場投入が可能となり、最終的には、お客様の利益を伸ばすことにつながります。
それでは、LightToolsがどのような場面で必要とされており、どのようなメリットや効果が期待できるのか、製品開発の流れに沿って簡単に紹介します。
LightTools 開発
開発の工程では、ターゲットとなる製品の仕様を様々な角度から検討・策定する必要があります。
LightToolsは、『光学部品』は当然のこと、『機械部品』や『材料』も3次元CADと同じように再現できますので、製品のデザインや材料を変更しながら、光跡や解析結果をリアルタイムに且つ直感的に確認できます。
仕様の妥当性が素早く判断できますので、開発期間の短縮(=時間的コストの削減)につながります。
LightTools 設計
デジタルカメラやディスプレイ、プロジェクタなどのハイテク製品の設計には、非常に高い精度が要求されます。
そのために設計者は、製品設計の過程で何度も試行錯誤を繰り返す必要があります。
LightToolsは、3次元CAD機能と解析機能の両方をそなえているため、簡単にモデルを変更・修正・検証できます。
設計者は試作品を作る前段階で、製品の仕様を満たす形状、構成の妥当性を検討することができ、時間的コストを削減しながら、高精度な設計が短期間で行えます。
LightTools 試作・実験
メーカーは製品の高性能化、高品質化、市場への早期投入が求められる一方で、開発コストの削減を求められるという厳しい状況にあります。
従来、多くのメーカーは製品化するために、何種類もの試作品を製作し、実験を繰り返していました。
LightToolsを使えば、形状、特性を自由に手軽に変更を加えながら高精度にシミュレーションできるため、試作精度の向上、及び試作回数や試作品数の削減になります。
LightTools 解析・分析・評価
試作・実験を繰り返しながら製品の最終的な仕様が確定しますが、試作→実験→データ取得→修正→実験・・・というサイクルは、時間もコストも非常にかかります。
LightToolsを使えば、この一連のサイクルをコンピュータ上で行えますので、時間とコストが大きく削減されます。
さらにLightToolsでは、実験で得た数値データを取り込み、分析・評価することができます。
また、このデータを記録に残すことで、知的財産としてノウハウを蓄積・共有することもできます。
LightTools シミュレーションの流れ
照明設計解析ソフトウェア LightToolsを導入した場合のシミュレーションの流れを紹介しています。
LightTools 機能一覧
照明設計解析ソフトウェア LightTools の主な機能の一覧を紹介しています。
LightTools Core Module
- 3次元CAD機能
- マウス操作で簡単入力
- ブーリアン演算
- 3Dテクスチャー
- レンズ設定
- 球面レンズ
- 自由曲面レンズ
- 非球面レンズ(コーニック面・シリンダ面・トロイド面)
- 多項式非球面レンズ(ゼルニケ多項式・XY多項式)
- 光線追跡
- 屈折・反射・スプリット ほか
- 散乱設定
- ランバート散乱(完全拡散)
- ガウス散乱
- CosN乗散乱
- BSDF
- Mie散乱
- ユーザー定義散乱
- 異なる散乱のミックス
- 光学特性
- フルネルロス(反射・透過率を自動計算)
- 薄膜(1/4波長反射防止膜・ユーザー定義コーティング)
- 偏光素子(理想線形偏光素子・位相素子)
- 各種ライブラリ
- バックライト導光板、フルネルレンズ、ファセットミラーなど、各種デバイスモデル
- プロジェクタなど、各種システムモデル
- BEFシート ライブラリ(3Mなど)
- 光源ライブラリ(自動車用ランプ・LED・CCFL)
- プログラミング機能
- API/COMインターフェース
- VisualBasic言語
- MATLAB
LightTools Illumination Module
- 光源設定
- 点光源・面光源・体積型光源
- スペクトル分布
- 空間分布
- 配光分布
- 放射領域の設定とコントロール
- 配光データの取り込み
- 光源データの取り込み(RadiantSource)
- 照明解析
- ノンシーケンシャル光線追跡
- 偏光光線追跡
- モンテカルロシミュレーション
- ハイブリッドシミュレーション(順方向シミュレーションと逆方向シミュレーションの融合)
- 評価分析機能
- 照度、輝度、色度、配光分布などの光学性能評価
- フォトリアルレンダリング機能
- リバースエンジニアリング(最適化機能使用)
- レイパス機能
- フィルター機能(面・波長・光路長など)
- 解析結果表示
- 2種類の輝度出力(空間輝度計・角度輝度計)
- 測定角度、範囲の設定
- 光線と受光面の交点表示(スキャッタチャート)
- 擬似カラー表示(ラスタチャート)
- 縦横断面表示(ラインチャート)
- 3Dシェーディング表示(サーフェイスチャート)
- CIE色度図出力
- 照度、角度強度分布のRGB出力
- CCTチャート表示(相関色温度)
LightTools Data Exchange Module
- 汎用3次元CADソフトからの入出力
- SAT:ソリッドデータ
- STEP:ソリッドデータ(AP214・AP203)
- IGES:ソリッドデータ、サーフェイスデータ
- CATIA:ダイレクトインターフェース
LightTools Imaging Path Module
レンズなどの結像光学系の解析を行うモジュールです。
シーケンシャルな光線追跡による横収差及びスポットダイアグラムの確認が行えます。
なお、レンズやミラーなどを用いた結像光学系の設計や評価を行う場合は、LightToolsと同じ開発元、光学設計評価プログラムCODEVの利用をお勧めします。CODE Vには結像光学系に必要な多彩な解析機能が搭載されており、波動光学的な解析も可能です。また、強力な自動設計機能、高速な公差解析機能を持ち、結像光学系の設計や評価を強力にサポートしたします。
LightTools Optimization Module
- Optimization
- LightToolsは強力な最適化機能で光学系システムの設計を支援します。多くのLightToolsユーザーが最適化機能を高く評価し、レンズやバックライトなどの設計現場で使い続けています。
最適化機能は、製品設計の短納期・低コスト・生産性向上を実現します。
コリメートレンズ/軸外フォーカス/ベストフォーカス/ライトパイプ/バックライト/LED カラーバランス/迷光 etc
- Backlight Pattern Optimization
- バックライトのシボパターンを正確かつ高速に最適化することが出来る機能です。
LightTools Advanced Physics Module
C++、VisualBasicプログラミングにより、ユーザー独自の光学特性定義を行え、これまでのLightToolsでは扱う事の出来なかった光学特性を設定出来ます。以下アプリケーションに非常に有効な機能となります。
- 蛍光体
- GRINレンズなどの不均一な屈折率の材質
- 特殊偏光部品
- 効率計算を含む回折格子モデル
- 非回転対称な散乱面
開発元Synopsys社作成のサンプルが用意され、ユーザーの利用用途にあわせて利用頂けます。
LightTools SolidWorks Module
- SolidWorksで作成した部品またはアセンブリファイルを、リンクされた状態で直接LightToolsに取り込むことができます。
- リンクされたSolidWorksモデルに設定されていた寸法などのパラメータをLightToolsで直接編集できます。
- LightToolsで編集可能なSolidWorksモデルのパラメータを、LightTools内で作成された他の部品と同様、最適化機能で自動的に変化させることが可能です。
LightTools Advanced Design Module
- 自由曲面設計機能
- 一つのレンズまたはリフレクターを利用して、目的の照度分布や配光分布を得るための継ぎ目のない自由曲面が設計できます。あるパターンで面を照射するレンズやリフレクターを設計されたい方に有効な機能で、ランプ、センサー用照明、LEDレンズなどの設計に役立ちます。
- MacroFocal リフレクタ(ファセットリフレクター設計機能)
- ”ファセット化”された自由曲面リフレクターを設計するための機能です。様々な種類のファセットに対応しており、各ファセットの面形状は要求性能(拡がり角やターゲット面上の位置)を指定することで作成されます。
- Procedualレンズ(照明用レンズアレイ設計機能)
- レンズアレイ(“ファセット化”されたレンズ)を設計する機能です。ファセットが多数あるレンズアレイの設計を素早く行えます。また、指定した曲線上に並ぶようなレンズアレイが設計できます。
- LEDコリメーター作成機能
- すばやく簡単にLED用のコリメーターレンズを作成できる機能です。円形や矩形のコリメーターの他にも様々な種類のコリメーターを設計できます。コリメートさせることも容易に行えますが、MFリフレクターと同様に拡がり角を指定してレンズを作成することができます。
LightTools 適用アプリケーション
照明設計解析ソフトウェア LightToolsが利用されているアプリケーションの例を紹介しています。
LightTools バックライト
液晶ディスプレイに使われるバックライト導光板をLightToolsで解析しています。
プリズムシートや反射面などをモデリングし、精度の高い結果を出す事ができます。
LightTools プロジェクター
各光学部品の設計のみならず、プロジェクター全体の部品配置の検証が正確に行なえます。
LightTools 光源
LEDモデルを照明解析した例です。
このモデルは緑色の相対強度が大きいスペクトル分布を持つことがカラートライアングルや発光スペクトルで確認できます。
また、人間が感じる色に近いRGB表示で受光面での色度分布を見ることもできます。
ちなみにLightToolsにはこうしたLEDの光源データや自動車のランプデータ等、検索可能な光源ライブラリ が標準で装備されています。
同種のソフトウェアと比較しても特性の取得や定義が簡単に、且つ手軽に解析を行うことができます。
LightTools 自動車部品
パネル部分はビットマップ画像を貼り付けており、LED光源がこのパネルを照らします。
このときの文字などの明るさや色のムラを評価しています。
LightTools 照明器具
アークランプから出る光を、指定した方向へ発光させるセグメントミラーです。
照射領域において均一な照度分布にするのを目的で作成されます。
セグメントミラーはこのように多数の平面ミラーから構成されています。
LightToolsではセグメントミラーを自動作成するサンプルマクロを用意しています。
LightTools バージョン 8.4 リリース情報
LightTools 8.4では、モデリング、光線追跡、ユーティリティなどに関する機能の強化が行なわれています。新機能の概要を以下に紹介します。
- ハイブリッドシミュレーション
- コンフィギュレーションの定義と管理
- ライトガイドデザイナー
LightTools ハイブリッドシミュレーション
今までのバージョンで使用できた順方向と逆方向のシミュレーションに加えて、順方向と逆方向を組み合わせたハイブリッドシミュレーションが追加されます。このハイブリッドシミュレーションを使用すると、散乱面が多いモデルにおいて計算効率が向上します。このハイブリッドシミュレーションは、ある特徴を持つモデルに対して特に有効です。
ハイブリッドシミュレーションに適したモデルにおいて、シミュレーション精度の高い結果が非常に短時間で得られます。例として、テストモデルで空間輝度解析を実行した結果を以下に示します。
[Intel Xeonで12コア(1CPU当たり6コア)、12GBのRAMを搭載したHPコンピューターでテストした結果です。]
順方向シミュレーション
20億本の光線追跡
48分
逆方向シミュレーション
20億本の光線追跡
35分
ハイブリッドシミュレーション
750万本の光線追跡
1分
ハイブリッドシミュレーションは、照明機器やダッシュボードパネルのように散乱面を含むモデルの照度や輝度を評価する際に有効です。
LightTools コンフィギュレーションの定義と管理
LightTools 8.4ではコンフィギュレーションを定義する機能が搭載されます。コンフィギュレーションを利用すると、1つのモデルの中に構成の異なる"複数"の状態を定義できます。つまり、異なるサイズ、形状、特性、部品配置など様々なパラメーターをコンフィギュレーションとして定義でき、1つのモデルで管理できます。あるコンフィギュレーションから別のコンフィギュレーションへはマウスクリックで簡単に切り替えられます。
LightTools ライトガイドデザイナー
ライトガイドデザイナーが、LightToolsのユーティリティライブラリのジオメトリカテゴリの下に追加されます。この新しいユーティリティを使用すると、空間的に一様に光を取り出し、かつ光出射角度の重心を制御したライトガイド光学系の作成と最適化が行えます。光抽出子となる3Dテクスチャーを使用したプリズム、受光器、光源、リフレクターを持つライトガイドを作成できます。DRL(Daytime Running Lamp)などの設計に有用です。
LightTools その他
- 立体角受光器フィルター
- 街路照明ユーティリティの強化
- 自由曲面ソリッドにおけるソリッドタイプの修正設定
- 自由曲面設計機能における面リサンプリング
- ライブラリエレメントテクスチャーにおける光線追跡精度指定
- NS光線の無効指定
- ライブラリーとカタログの更新