- • 3DEXPERIENCE Platform 上のPhysics Results Explorer 用SIM形式,接触エネルギ,相当塑性ひずみ速度
Abaqus解析の結果のSIM データベースへの書き出し
(プロダクト : Abaqus/Standard, Abaqus/Explicit, Abaqus/CFD, Abaqus/CAE)
結果をSIMデータベースファイル(.sim)に書き出すことができるようになりました.
新しいSIM データベース(ジョブ名.sim) は,巨大なFEA データを3DEXPERIENCE Platform アプリと大量の計算を必要とするコンポーネント(陰解法ソルバや陽解法ソルバなど) の間で交換するときに使用されるファイル形式です.たとえば,Physics Results Explorer アプリでは,解析結果の高性能な後処理にSIM データベースが使用されます.
Abaqus 出力データベースは, ODB とSIM の2 種類の形式で利用できるようになりました.デフォルトでは,結果の出力はODB 形式で作成されます.3DEXPERIENCE Platform にインポートして高性能な後処理ができるのは,SIM形式の結果のみです.Abaqus/Standard 解析とAbaqus/Explicit 解析では,新しいresultsformat コマンドライン・オプションにより,Abaqus結果の出力形式を制御できます(両方の形式で結果を書き出すことも可能). Abaqus/CFD 解析では,field およびhistory コマンドライン・オプションを使用して結果をSIM 形式で書き出します.
Abaqus/CAE 使用法
(Abaqus/StandardとAbaqus/Explicit のみ)
ジョブモジュール :
ジョブ(Job) → 編集(Edit): 一般(General) タブページ:
結果形式(Results Format): ODB, SIM または両方(Both)
混合モード層間はく離時のモード混合比率の出力
(プロダクト: Abaqus/Standard)
粘着要素でモデル化された層間はく離挙動の場合,損傷発生時と損傷発展中の両方においてモード混合比率を出力できるようになりました.積層複合材材料の一般的な破壊モードである層間はく離に必要なエネルギは,通常,層間はく離領域のモード混合比率に強く依存します.(モード混合比率:せん断変形に対する引張り変形の相対的な比率)多くの場合層間はく離プロセスは強い混合モードであり,層間はく離プロセス中にモード混合比率が大幅に変化します.
新しい出力変数 MMIXDMI と MMIXDME は,粘着要素内の積分点における損傷開始時と損傷発展中のモード混合比率の値をそれぞれ表します.これらの変数により,混合モード層間はく離時の破壊モード(引張り対せん断) を正確に測定することができます.
最後に収束したインクリメントの出力
(プロダクト: Abaqus/Standard)
Abaqus/Standard 解析の一般ステップにおいて,収束に失敗した場合,最後に収束したインクリメントを出力するように,デフォルトの出力挙動が変更されました.これは収束に失敗した原因の特定に役立つ情報です.
この出力は最初のインクリメントより後に収束の問題が存在する場合にのみ書き出されます.
接触関連のエネルギの出力
(プロダクト: Abaqus/Standard)
新しい接触関連のモデル全体エネルギが導入され,エネルギの合計計算(ETOTAL) が改善されました.全エネルギの釣り合いETOTAL に変動が生じるのを回避し,シミュレーション挙動に関する洞察が得られる,新しいエネルギ出力変数を使用することが可能です.新しい出力変数では,弾性接触エネルギ,接触安定化に関連した散逸エネルギ ,および接触拘束“不連続仕事” に関連したエネルギが考慮されます.既存の出力変数ALLSD とALLVD は,これまでのAbaqus リリースと同様に,接触安定化と接触減衰に関連した散逸エネルギを引き続き考慮します.
- ペナルティ接触のエネルギ計算の精度向上
- • 接触状態が変化するときの仕事 (ALLCCDW) の考慮が可能
- • モデル全体のエネルギの釣り合い(ETOTAL)のドリフトが解消
ベクトル節点変数の大きさの出力
(プロダクト: Abaqus/Explicit)
変位, 速度,加速度, および反力の並進ベクトル節点量の大きさを出力できるようになりました.
以下の4 つの新しい節点出力変数が導入されました.これらの新しい出力変数は,履歴出力要求で使用可能です.
- 空間変位の大きさ UMAG
- 空間速度の大きさ VMAG
- 空間加速度の大きさ AMAG
- 反力の大きさ RFMAG
相当塑性ひずみ速度
(プロダクト: Abaqus/Explicit)
履歴出力とフィールド出力の両方の要素出力要求で相当塑性ひずみ速度を出力できるようになりました.ひずみ依存材料の評価に使用される相当塑性速度を表す新しい要素出力変数 PEEQR が導入されました.この出力量では,非物理的な高周波振動を軽減するために使用されるフィルタリング係数が考慮さます.フィールドと履歴の両方の要素出力要求で使用可能です.
出力フィールドフィルタリングに境界値を使用した主応力
(プロダクト: Abaqus/Explicit)
境界値によるフィルタを適用して最大,中間,または最小主応力のフィールド出力を得られるようになりました.テンソル量またはベクトル量の各成分は個別にフィルタリングされ,最大, 最小, または絶対最大値と限界値が成分ごとに別々にレポートされます.また,不変量にはフィルタを直接適用することができます.フィールドフィルタリング時の不変量パラメータに次の3つの新しい値が導入されました.
- 最大主応力 MAXP
- 中間主応力 INTERMP
- 最小主応力 MINP